旧来の乾癬の治療法
乾癬の治療は、症状の状態・範囲・部位・程度・合併症・既往症などを考えて決めるようにします。また、患者さんの年齢や生活環境に合わせて治療を進めるようにします。場合によっては、入院治療を行うこともあります。一般的には、つぎのような治療法があげられます。
外用薬の塗布と内服薬

かつてのステロイド外用剤から、最近ではビタミンD外用剤が主役になっています。また、シクロスポリンという内服薬が、乾癬治療に効果をあげる場合もあります。シクロスポリンは、免疫抑制作用を持ち、臓器移植手術後の拒絶反応を抑える目的で使われ始めた薬剤です。この薬剤の開発によって、臓器移植手術の成功率が格段によくなりました。
乾癬を持った患者さんが肝臓移植手術を受け、手術後にシクロスポリンを飲んでから乾癬がよくなった症例が報告されて注目を集めました。
シクロスポリンは、主にT細胞と呼ばれるリンパ球(免疫細胞)の働きを抑える作用を持っています。このことから、乾癬の原因は、皮フ細胞ではなく、免疫細胞の異常にある可能性が強まったのです。
光線治療
光線治療とは、全身または皮フ炎の部位に紫外線を少量ずつ繰り返し照射する治療法です。UVB療法とPUVA療法があります。

UVB療法は、中波長紫外線を照射する方法です。
PUVA療法は、照射前にメトキサレンという薬を塗布するか服用してもらい、その後に長波長紫外線を照射する方法です。入院して、専用浴槽を用いて行う入浴法もあります。また、最近では、ナローバンドUVBと呼ばれる新しい治療法も行われています。